Q1:農林・水産分野では石炭灰はどの様に利用されているのか?

(1)肥料

けい酸加里肥料は、フライアッシュに苛性加里と苦土原料他(水酸化マグネシウム他)を加えて混合・造粒し高温で焼成して製造します。この焼成過程で、フライアッシュに含まれるケイ酸が作物に吸収されやすい「可容性ケイ酸」に変化します。同時に水溶性の苛性加里は、作物の根が出す根酸などの薄い酸に溶ける「く容性加里」に変化します。
けい酸加里肥料は、加里成分に緩効性の性質を持たせ、併せて吸収され易いケイ酸を含む一歩進んだ加里肥料です。

開発肥料1
開発肥料2

(出典:開発肥料㈱のホームページ)

(2)人工海底山脈プロジェクト

概念図
概念図

海底への投入イメージ
海底への投入イメージ
石炭灰を大量に使用したコンクリートブロック
石炭灰を大量に使用したコンクリートブロック

水産庁は「フロンティア魚場整備計画」の一環として、マウンド型湧昇流構造物による水産資源の増産産業に取り組んでいます。
湧昇流による水産資源の増産事業の概念は、まず海底に大規模な人工の山脈構造物を構築し、これによって湧昇流(底層から表層に向かう上向きの流れ)を発生させることで、底層の栄養塩類を太陽光の届く表層に供給し、海の食物連鎖の底辺にある植物プランクトンを増やすことによって、海洋での食料増産しようというものです。現在、長崎県五島西方沖を計画地点として、湧昇流による水産資源の増産事業が進行中です。

(出典:JCI工事報告(大型魚礁ブロックを用いたマウンド型湧昇流魚場整備について))