Q8:フライアッシュ混和モルタルの環境安全性は?

フライアッシュを混和材、およびフライアッシュ混合セメントとしてコンクリートならびにモルタル中で、セメント硬化体として固定化した場合の微量元素溶出量を評価することを目的として利用有姿(JIS K 0058-1)にて、溶出試験を実施しました。

モルタル試験体はJIS A 6201に示されるモルタル試験用の配合ならびに練混ぜ手順に従い作成しました。セメントについては、OPC、FA-A、FA-B、FA-Cを用いました。その結果を表フライアッシュ混和モルタル有姿溶出試験結果一覧に示します。フライアッシュ混和の有無にも関わらず、いずれの試料においても分析対象として元素の溶出濃度は検出下限値以下となり、溶出が認められませんでした。

表 供試体配合表(JIS A 6201) [g]

材料 基準モルタル フライアッシュ
混和モルタル
セメント 450 337.5
フライアッシュ 0 112.5
標準砂 1350 1350
225 225

(出典:文章改変:コンクリートライブラリー132(循環型社会に適合したフライアッシュコンクリートの最新利用技術)3.1.3(2) 公益社団法人土木学会)

表 フライアッシュモルタル有姿溶出試験結果一覧 [mg/l]

材齢
(日)
資料 pH 水温
(℃)
Cr(VI) As Se B F
7 OPC 11.5 25.5 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-A 11.4 25.4 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-B 11.4 25.6 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-C 11.5 25.7 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
28 OPC 11.1 25.2 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-A 11.1 25.2 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-B 11.0 25.2 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2
FA-C 11.1 25.2 <0.02 <0.005 <0.001 <0.1 <0.2

(出典:コンクリートライブラリー132(循環型社会に適合したフライアッシュコンクリートの最新利用技術)公益社団法人土木学会)