Q7:なぜ石炭灰の使用は温室効果ガスの削減になるのでしょうか?
- セメントは、石灰石(炭酸カルシウムCaCO3)等原材料を1450℃程度で焼成後粉砕し製造され輸送され利用されます。この焼成・粉砕・輸送に要する燃料等から発生するCO2と、焼成の際に石灰石から発生する脱炭酸分CO2と合わせ、セメント1tを使用する際には約760kgのCO2が発生します。
- 一方、フライアッシュは副産物であることから製造に関わるCO2は非常に少なく、主に輸送の際に発生するCO2を考慮することになり、フライアッシュ1tを使用する際に発生するCO2は約20kgと、セメントに比べ排出量が非常に少量です。
- このため、フライアッシュをセメント混合材やコンクリート混和材として使用し、セメント使用量を低減すると、より少ないCO2排出量でコンクリートを製造することが出来ます。
- 例として、同じ配合でコンクリートを製造する場合、フライアッシュセメントB種を使用することによって、普通セメントを使用した場合に比べCO2排出量を約20%低減することが出来ます。このように、フライアッシュのコンクリートへの利用は環境面で優れています。
表 セメントのインベントリデータ(CO2排出量)
セメント種類 | CO2排出量(kg-CO2/t) |
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普通セメント | 765.5 |
フライアッシュセメントB種 | 622.8 |
(出典:コンクリート技術シリーズ62 コンクリートの環境負荷評価(その2)公益社団法人土木学会)