Q3:石炭灰混合材料を使用するメリットは何ですか?

石炭灰混合材料を利用すると、リサイクル材の有効活用促進の観点からも以下の点が有意義です。

  • 副産物の有効活用であり、天然資材を利用するのに比べて環境負荷が少ないです。
  • 石炭灰の発生位置(火力発電所位置)が沿岸域にあるため、船舶での大量な輸送が可能で運搬コストの低減が図れます。
  • 大量に発生するものであり、大規模な工事への供給が可能です。

表 石炭灰および石炭灰混合材料の化学的特性からのメリット

石炭灰の特性 石炭灰混合材料のメリット
化学的特性
    • 原料である石炭は元来自然界に存在していたものであるため、化学組成が一般的な自然の土壌・岩石類に近い。
    • 発生箇所(火力発電所)、使用する原炭によって若干性質は異なるが、他の産業副産物に比べると基本性状のばらつきが比較的小さい。
    • 他の産業副産物に比べて、塩素含有量が比較的少ない。

    • ポゾラン反応を有している場合は、セメントなどの固化材の使用量を低減することが可能で、長期的な強度を確保しやすい。
    • セメントを添加することで安定し、要求品質が確保しやすくなると共に重金属等の溶出が抑制される。

物理的特性
    • シルト質で土粒子密度が小さく、軽量埋立資材として優れた性質を有している。

  • 比較的軽量であることから、軟弱な地盤上では沈下量を低減することが可能。
  • 軽量であり、セメント等で固化させた場合、構造物への土圧、側圧を軽減することが可能。
  • スラリー状にした場合、微粒分が多いため流動性が改善され充填性能に優れる。
  • 固化させることで海上への吸出しがなく、水質への影響が少ない。

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(震災復興資材編))