アルカリシリカ反応
コンクリート中のある種の骨材がアルカリ性水溶液と反応して、コンクリートに異常膨張やひび割れを発生させる現象
※反応性骨材とは、アルカリ分と反応しやすい安山岩等の骨材
【化学反応過程】
- コンクリート中のアルカリ分と反応性シリカ鉱物を含む骨材とが反応
- アルカリシリカゲル(ASRゲル)が生成
【吸水膨張過程】
- ASRゲルが吸水
- ASRゲルが膨張
コンクリートが内部から膨張し、表面にひび割れが発生
(実際、コンクリート内部では、骨材の周囲だけでなく、骨材自身の内部にもASRゲルが生成され、骨材自身の割れや微細なひび割れが発生し、それが内部の膨張力となっている)
ASRの抑制対策
JIS A5308:レディーミクストコンクリート
「アルカリシリカ反応抑制対策の方法」 (1986年に規定)
① 安全と認められる骨材を使用する抑制対策 ("無害"と判定された骨材の使用)
⇒適用例が多いが資源の活用の観点から偏重は好ましくない
② コンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策
⇒環境条件などによっては十分でない
③ アルカリシリカ反応抑制効果のある混合セメントなどを使用する抑制対策
(フライアッシュ:15%以上、高炉スラグ微粉末:40%以上)
⇒効果的な対策方法
二酸化炭素や塩化物イオンなどコンクリートの耐久性に影響を与える物質の移動に関係する毛細管空隙を充填するようにポゾラン反応層が成長
⇒ セメント組織を緻密化
(ご提供:金沢大学 鳥居教授)