JCOALの事業

重点事業の戦略的な推進

JCOALは石炭に係るワンストップ機関として、上下流一体化した包括的な取組みを基本に、政策対話、MOU等をベースとするテーマ別、国・地域別両面からのプラットフォームを積極的かつ効果的に活用する等のアプローチにより、日本の優れた技術と相手国の強みを活かしたWIN-WINの関係構築を念頭に、インフラ輸出も見据えたビジネス機会の創出、ビジネスモデルの構築等事業化に向けた戦略的取組みを実施しています。

1.CCT移転事業

石炭資源は、他の化石燃料に比べ、賦存に偏在性がなく、供給の安定性、経済性で優れ、世界の一次エネルギーの約3割を占める重要なエネルギーです。今後ともアジア地域を中心にその需要は大幅に増大すると見込まれており、IEAによると2040年には利用量が現在から約10%増加することが予測されています。一方で、石炭利用においては、二酸化炭素の発生量が他の化石燃料に比べ多いなど、低炭素化、高効率利用技術等の開発・実証・展開による対応が必要となっています。また、SOx、NOx等の大気汚染物質の除去等の技術も重要かつ必要となっています。

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CCT移転事業内容

JCOALでは、今後、エネルギー需要の増加に伴い見込まれる石炭の利用増加に対し、我が国が有する優れたCCTの海外への普及・移転等を通じてCO2、SOx、NOx等の削減による環境負荷低減を図ること、石炭の利用効率の向上により我が国の石炭需給の安定と地球温暖化問題の解決に寄与すること、及びCCT分野での海外展開を図る日本企業のビジネス支援に繋げることに長年取り組んできています。

日本のCCTの導入が有望視されるアジア、東欧等の国々に対して、CCTに関する日本人専門家を派遣してのセミナー開催等によるCCT派遣技術交流及び当該国の電力政策担当部門、電力事業者、研究機関等の幹部・技術者を日本へ招聘して実施する招聘技術交流、更に当該国でのCCT導入に必要な調査、設備診断等を実施しています。対象国は、主にインド、ウクライナ、インドネシア、ベトナム、ポーランド、タイ、モンゴル、ミャンマー、スリランカ、台湾、中国等となっています。

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H27年度CCT移転事業 招聘技術交流実施一覧

2.既設発電所の設備診断・環境高度化調査

JCOALは、CCT移転対象国に日本の専門家チームを派遣して既設石炭火力発電所の設備診断を実施し、効率向上や環境特性向上のための改善提案を行うことにより、我が国の高効率石炭火力発電技術の普及に向けた活動を実施しています。

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インドでの設備診断

インドでは、JCOALとインド中央電力庁(CEA)との間で既設石炭火力発電所の効率及び環境負荷改善の予備調査に関する覚書を締結した2010年以降、これまで8発電所を対象に設備診断を実施してきました。2014年からは、我が国の高効率石炭火力発電技術の導入に繋げるためのフォローアップやFSを日本企業と共同で行っています。

ウクライナにおいては、2014年8月の官民経済ミッション会合においてJCOALとウクライナ・エネルギー石炭産業省(MECI)との間で石炭火力発電所の設備診断の実施に係る覚書を締結しました。その後、予備調査を経て、2014年度に2箇所の発電所を対象に設備診断を実施しました。その改善提案を踏まえ、2015年度は既設発電所の効率改善プロジェクトとしてのタービン実証に向け、既存発電所の事前調査や既設タービンの開放点検(寸法計測)を日本企業と共同で行っています。

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トリピルスカ発電所の既設タービン

中国においては,2015年11月の日中省エネルギー環境総合フォーラムでJCOALと中国電力企業連合会(CEC)との間で、中国石炭火力発電所の環境改善及び効率向上に関する覚書を締結しました。これに基づき、2016年度は発電所の環境高度化調査、環境改善提案を実施します。

3.褐炭等有効利用促進事業

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豪州ビクトリア州の褐炭炭鉱と発電所

我が国への石炭の安定供給や産炭国におけるエネルギー需給緩和を図っていくための対応と施策の方向性のひとつとして、これまで十分利用されてこなかった褐炭等の有効利用拡大が重要となっています。これまで複数の褐炭等利用技術開発が行われてきましたが、コスト目標設定の甘さから事業化に至った例がほとんどないといった反省点を踏まえ、JCOALではビジネスモデルの観点から事業化を加速していくためのあらゆるコンサルタント業務を実施しています。

特に、日本企業が推進している褐炭からの水素・化学品、代替天然ガス(SNG)、電力・鉄鋼向け改質炭等の実証・事業化に向けた支援をしており、産炭国と長年培ってきたネットワークを活用して、技術交流、褐炭資源・炭鉱権益・インフラ関連、政策・規制、技術ニーズ・競合技術関連、経済性評価等 の検討を実施しています。


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