JCOALの事業

石炭資源開発への取組み

石炭資源を海外からの輸入に依存している我が国にとって、石炭安定調達を目的とした海外石炭資源開発と関連情報収集、更には、その分析・評価は重要な課題です。

JCOALでは、地質調査、探査、情報データ分析をすることによって海外の石炭資源ポテンシャルを把握しています。また、開発輸入に関する評価能力・技術力を継続的に強化し、会員企業をはじめ石炭資源の開発者、供給者、利用者のニーズに即した情報・サービスの提供と充実にも努めています。

石炭安定供給に向けた取組としては、政府のトップセールスや、産炭国のインフラ開発への関与、ファイナンス支援、人材育成など産炭国との重層的協力の実施があげられ、現在官民一体となって推し進めているところです。我が国に供給される石炭(輸入量及び国内生産量)のうち、我が国企業が参画する国内外の権益(自主開発権益)からの引取量の占める割合を自主開発比率と呼びますが、これまで多くの日本企業の炭鉱開発への投資が進み、2010年時点で4割程度となっています。今後も産炭国での石炭権益の取得と積極的な炭鉱開発を促進し、自主開発比率を引き上げることで石炭の安定供給に寄与します。

1.石炭資源探査

(1) 海外地質構造調査

我が国の民間企業が進出し難い産炭国において、民間企業の探鉱・開発活動を誘導するため、地表踏査、物理探査、試錐調査等の基礎的調査を先行して行うものです。また、石炭資源の探査・開発に関わる石炭情報データの整備や情報収集・解析なども行います。これまでJOGMEC事業において、インドネシア、モンゴル等の産炭国において調査を実施しており、平成28年度はモザンビーク、ベトナムで調査を実施しています。

(2)石炭資源量調査

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ロシアの石炭賦存状況

平成21年度以降、日本、インドネシア、豪州、アメリカ、カナダ、モンゴル、ロシア、モザンビーク、南アフリカ及びコロンビアの10カ国で低品位炭、未利用資源等を含めた石炭の品位、埋蔵量のデータを収集しています。収集したデータはJCOALのwebサイト内のコールデータバンクにて公開しています。

2.炭鉱及び関連インフラ調査

炭鉱を評価するためには資源量評価、採掘方式、採炭・選炭・輸送を含む炭鉱設計、操業計画、輸送インフラ、石炭販売計画、環境対策等、総合的な調査・分析が必要です。JCOALでは石炭関連企業等からの依頼を受け、各分野専門家による炭鉱開発に必要な各種調査、既存炭鉱の評価、操業炭鉱における最適操業への改善提案等を行っています。

また、JOGMEC事業等においてインドネシア、インド、ベトナム、ミャンマー、中国、モザンビークなどの産炭国におけるインフラ調査を実施しています。

3.持続的な石炭開発への取組

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モザンビークの炭鉱

持続的な石炭開発を進めるためには、石炭企業の健全な炭鉱運営に加え、炭鉱地域への社会的貢献も重要となっています。炭鉱操業を中心として、環境に配慮した地域社会との総合的発展は、健全な石炭産業の発展に貢献することになります。

JCOALではJOGMECのクリーンコールタウン事業で、中国、ベトナム、インドネシア及びモザンビークにおいて、石炭資源の有効活用と環境負荷への影響を考慮しつつ、石炭火力発電、石炭加工業等といった事業を効率的に組み合わせた石炭関連産業の将来像「クリーンコールタウン」のマスタープランを策定しました。

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バイオコールブリケットによる調理

モザンビークは高品質の原料炭の生産が見込まれる数少ない産炭国のひとつであり、テテ州の炭鉱地域は今後我が国の石炭の安定供給を確保する上で重要な地域となっています。テテ州炭鉱地域のクリーンコールタウン事業では、輸出に向かない石炭の有効活用として山元小型発電、バイオコールブリケットの製造などの実行計画を提案し、現地で活動する石炭企業、モザンビーク政府、地方自治体、地域住民から高い評価を得ています。

4.環境に配慮した石炭開発への取組

(1) 石炭のクリーン化:選炭

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インドのモデル選炭工場

採掘原炭に混入した岩石等の無機鉱物を燃焼前に除去することで灰分・硫黄分の少ないクリーンな石炭に仕上げる技術が選炭です。これによって輸送や発電所でのエネルギー消費や環境負荷が軽減され発電効率が向上します。これまで中国、ベトナム、インド各国に我が国の優れた選炭技術を広めるべくNEDO事業を用いてモデル選炭工場を建設しました。JCOALは選炭工場の基本設計から竣工までのハード面と、適正運転指導から需給計画に基づく採掘計画・選炭計画立案までのソフト面での支援が可能です。

選炭工場を持たない炭鉱でクリーンな石炭を得る方法に選択採炭があります。これは炭層上下盤に接する岩石混じりの低品質炭は採掘せず、良質炭だけを採掘する方法です。インドネシアの場合、露天採掘跡地に廃棄されたこれら低品質炭は炭層の1割にも達すると言われます。JCOALが持つ「移動式選炭技術」は採掘跡地に残された低品質炭を各露天現場で安価に選炭する技術で、石炭資源の有効活用に極めて有効です。

(2) 選炭廃水の処理

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選炭廃水のモニタリング指導

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ボタ捨て場の強酸性たまり水

多量の微粒子が懸濁した選炭廃水、多量の鉄分を含み真っ赤になった坑内水、降雨の度に発生する強酸性のボタ捨て場たまり水等、炭鉱における廃水処理の特徴はその処理量の多さにあります。それゆえ、採用する処理技術を誤れば企業経営に大きな損害を与えます。JCOALは多量の炭鉱廃水を安価で現実的に処理する技術を有しており、インドネシアやベトナムで教育・指導を行っております。


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