石炭について学ぶ

今後、環境問題を考える中で、どの様に石炭を利用すべきか

日本のCCTは世界一

日本では、石炭を環境に優しく高効率に使うための技術、クリーン・コール・テクノロジー(CCT:Clean Coal Technology)の開発と普及に積極的に取り組んでいます。世界一である日本のCCTを海外へ普及させることは、その国における電力アクセスの向上を図るとともに、地域の環境対策、地球温暖化対策に繋がります。
CCTは、地球環境対策と地球温暖化対策の大きな2つの技術と、その前処理及び石炭灰有効利用(注1)に大別されます。


クリーン・コール・テクノロジー(CCT)の体系

地球環境対策については、日本における石炭火力発電所から排出されるSOxやNOxの排出量は極めて少なく、国内においては技術的に解決済ではありますが、多くの国では十分な対策が実施されておらず、人への健康被害が懸念されます。今後、石炭によるエネルギー供給が必要な発展途上国等に対し、こうした大気汚染物質や水質汚濁物質を取り除く環境設備と、その運転・保守管理技術を着実に普及することで、広い規模での環境対策を実施することができます。


磯子火力発電所 電源開発㈱

更なるCO2削減に向けて

地球温暖化対策については、高効率化、CO2回収、再エネリンクという3つの柱があります。この3つの柱それぞれについての技術開発を行い、国内及び海外へ展開させることは、現実的な地球温暖化抑制策と言えます。

①効率化

超々臨界圧発電(USC:Ultra Super Critical)技術の発展途上国への導入により、地球全体でのCO2削減が期待できます。また、先進超々臨界圧発電(A-USC:Advanced USC)や石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)などの更なる効率向上技術の開発・実用化にも取り組んでおり、更なる高効率化が期待されています。

②CCUS

CO2回収によるゼロエミッションを目指すためには、大規模なCO2分離・回収・利用・固定技術の開発が必要です。また、CO2を資源として積極的に利用するためには、CO2を化学原料などとする取組も必要です。(注1)

③再エネリンク

再生可能エネルギーである木質等バイオマスと石炭混焼については、国内未利用木材の確保が最大の課題であります。また、バイオマスの長期安定供給確保のためには、海外からの輸入バイオマスの確保に向けた取組も必要です。こうした国内外のバイオマス導入促進や、CO2排出量削減の実効的方策として、既設・新設火力に於けるバイオマス混焼比率向上のため、バイオマス半炭化などの技術開発が進められています。

注1:石炭自身に含まれている灰分(燃えない部分)が石炭を燃やした後に「石炭灰」になります。現在日本では年間約1,200万トンの石炭灰が発生していますが、ほぼ全ての石炭灰をセメント原料等で有効活用しています。国土の限られた日本では可能な限り石炭灰を有効利用し、埋立地の延命化を図っています。また石炭灰の有効利用に関する技術開発も進んでおり、新たな有効利用先として魚礁なども検討されています。

注2:身近なところでもCO2は重要な役割を果たしています。CO2は炭酸飲料や入浴剤、消火剤などの発泡用ガスとして、または冷却用ドライアイスとして広く使われています。さらに、CO2溶接にも必要不可欠なガスです。アーク溶接というアーク放電を利用した高温で金属を溶解して接合する溶接を行うときに、酸化を抑えて溶接の品質を高めるためにCO2が重要な役割を担います。さらに最近では、農業の現場においてもCO2が利用されています。ハウス農業においては、植物の光合成が活発になると、室内のCO2濃度が外気よりも低くなり、光合成がしにくくなります。そこで、ハウス内にCO2を追加してCO2濃度を一定に保つことで、植物の生長が大きく向上することが確認されています。


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