Q2:なぜ石炭は今でも発電に使わざるを得ないのか

日本を含む世界で使われている石炭。二酸化炭素を多くだす石炭を何故今でも使っているのでしょうか。

世界での発電電力量の4割は石炭

石炭は、賦存量が多く偏在性が少なく、供給安定性と経済性に優れる資源です。世界には電気にアクセスできない人々が約13億人いるとされており(外務省2014年版ODA白書より)、このような発展途上国の経済発展のためには経済性の優れた石炭資源が不可欠です。もちろん、石炭消費量を減らして行く努力は必要です。これは二酸化炭素の排出削減と、エネルギー資源の効率的利用(省エネ)のためです。

現在、世界全体での発電電力量のうち4割が石炭によるものです。中国やインドでは約7割の電力が石炭から発電されています。

発電量構成
各国の発電量の構成

日本における2030年のエネルギー見通し

「長期エネルギー需給見通し」において、日本の電源構成における石炭火力発電の比率は、2030年度時点で26%程度を目標とすることが決定されています。国産エネルギー資源の少ない日本では、1973年と1979年に起きたオイルショックを経験したことから、単一のエネルギーに依存するよりも、様々なエネルギー(石炭、石油、天然ガス、再生可能エネルギーなど)をバランス良く利用していくことが重要であると考え、現在でも石炭は利用されています。

発電量推移

日本の発電電力量構成の推移

出典:経済産業省エネルギー白書より