クリンカアッシュ

石炭灰の5~15%

クリンカアッシュは赤熱状態でボイラ底部の水槽に落下した塊状石炭灰を、破砕機で破砕、粒度調整したもので、赤熱状態から急冷水洗したため化学的に安定しています。
主成分はフライアッシュとほぼ同じで大半はシリカとアルミナです。

クリンカアッシュ
写真1.クリンカアッシュ電子顕微鏡写真(300倍)

クリンカアッシュの粒子は、ほとんどが細礫と粗砂であり、砂に近い粒度分布になっています。クリンカアッシュの表面は電子顕微鏡で見ますと径0.2~20μm位の小さな孔隙が多数あいています。このような孔隙は、クリンカアッシュ1gあたり0.148cm3にもなります。1gのクリンカアッシュには、約4.5m2もの表面積があり、細孔がない同じ直径の粒より約1万倍の表面積があることになります。

このようなクリンカアッシュは孔隙構造となっていますので、単位体積重量が砂より軽く、排水性、通気性がよく、保水性や保肥性に優れていますので、ゴルフ場や道路の下層路盤材、およびグラウンドの中層材、岸壁裏込材、テールアルメなどの軽量盛土材などに多く利用されています。

各種土壌の比表面積
図 各種土壌の比表面積

表 クリンカアッシュの化学組成例(単位:%)

化学組成例(%)
SiO2 Al2O3 Fe2O3 MgO CaO
51.6~64.0 17.3~26.9 4.2~10.9 1.0~2.6 2.3~8.8

(出典:日本フライアッシュ協会のホームページ)