土木・建築分野

土木・建築分野における石炭灰の有効利用

(文章改変:石炭灰有効利用技術についてー循環型社会を目指して- 平成15年9月社団法人土木学会)
図 土木・建築分野における有効利用

※(出典:日本フライアッシュ協会のホームページ)

(補足)石炭灰混合材料

石炭灰を用いたリサイクル資材には多くのものがありますが、土砂代替材、塑性材、スラリー材およびクリンカアッシュ混合物が該当します。また、クリンカアッシュについては混合材料としてではなく、単体で路盤材への使用実績も少なくありません。

表 石炭灰混合材料代表例

石炭灰混合材料代表例

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

石炭灰混合材料の分類
図 石炭灰混合材料の分類

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

適用箇所は?

石炭灰混合材料利用工法は従来使用してきた材料の有効な代替材料として、盛土・埋立てや構造物の裏込め、埋立材料などに適用することができます。この工法は自然由来材料に比べ環境負荷の軽減が期待でき、土圧低減、既設護岸・岸壁の補強および機能向上、液状化抑止、軟弱地盤上の盛土などの幅広い用途に用いることができます。
次図では、主な適用場所と適用イメージを掲載しており、図に記載している種類ごとに適用場所を選択し施工することになります。

※当機構では、石炭灰混合材料有効利用ガイドラインを作成し、石炭灰混合材料の取り扱い方について普及活動を行っております。以下の4部を発刊しております。

  • 平成26年3月「石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(震災復興資材編)」
  • 平成27年3月「石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編)」
  • 平成28年3月「石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(既成灰編)」
  • 平成29年2月「港湾工事における石炭灰混合材料の有効利用ガイドライン(改訂版)」

石炭灰混合材料の各適用工事・用途に対する類型
図 石炭灰混合材料の各適用工事・用途に対する類型

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(震災復興資材編))

石炭灰混合材料の適用イメージ
図 石炭灰混合材料の適用イメージ

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(震災復興資材編))

有効利用例(クリンカアッシュ(粗粒材))

国道バイパス工事(島根県出雲市)

河川に架かる橋梁の橋台背面の埋戻と橋台とグランドレベルまでのすり付け盛土(下層路盤までの路体盛土)を行なっていました。盛土下面が田地で軟弱であったため、深層混合による地盤改良を実施する予定でしたが、盛土の剛性が高く、荷重分散効果が良いので、地盤改良が不要となった事例です。

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

豊平町道路工事(テールアルメ工)(広島県豊平町)

補強土壁の裏込め材として、活用された事例です。通常の土工材に比べて、軽量でせん断強度が高い(内部摩擦角が35°以上確保可能)ため、鋼製のストリップ長の低減および床掘掘削量の低減が可能となり、採用された事例です。

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

有効利用例(フライアッシュ(破砕材))

県道「いわき石川線(上釜戸)」仮設道路(福島県いわき市渡辺町上釜戸地内)

東日本大震災において大規模地すべりで法面が崩壊した県道の早期復旧用の仮設道路として、石炭灰混合材料を路体、路床に活用しました。

仮設道路の断面図

仮設道路の断面図

施工写真1

施工写真

施工写真2

施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

県道「いわき石川線(才鉢)」仮設道路(福島県いわき市田人町才鉢地内)

東日本大震災において大規模地すべりで法面が崩壊した県道の早期復旧用の仮設道路として、石炭灰混合材料を路体、路床に活用しました。

仮設道路の断面図

仮設道路の断面図

施工写真1
施工写真
施工写真2
施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

小名浜港東港連絡橋陸上側(テールアルメ工法)道路(福島県小名浜港3号埠頭地内)

小名浜港3号埠頭のテールアルメ工法背面埋戻し材に石炭灰混合材料を使用しました。

標準断面図
施工写真1

施工写真

施工写真

施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

有効利用例(フライアッシュ(塑性材))

盛土試験施工(試験施工)(相馬共同火力発電 新地発電所構内)

火力発電所から発生する石炭灰に、セメント、水、脱硫石膏を添加してバッチャープラントにて製造する石炭灰混合材料はダンプトラックにて運搬し、バックホウにて敷ならしを行った後、締固め専用機器で締め固めて盛土を造成しました。

バックホウによる敷ならし
バックホウによる敷ならし
専用機器による締固め
専用機器による締固め
全景
全景

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

防潮堤盛土実証試験(試験施工)(相馬共同火力発電 新地発電所構内)

石炭灰混合材料をプラントで製造し、施工場所に運搬し、ブルドーザで敷均した後、振動ローラーで転圧して堤体を構築した。盛土構築後、定期的に強度、溶出試験等のモニタリングを実施しました。

防潮堤盛土平面図
全景
全景
バッチャープラント
バッチャープラント
ダンプトラックによる運搬
ダンプトラックによる運搬
ブルドーザによる敷ならし
ブルドーザによる敷ならし
コンバインドローラによる締固め
コンバインドローラによる締固め

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

有効利用例(フライアッシュ(締固め硬化材))

福岡208号永治地区改良3-2工区工事(福岡県三池郡高田町大字黒埼開地先)

本工事は、一般国道208号有明海沿岸道路事業(大牟田高田道路)の一環として、道路改良工事の施に伴い、石炭灰混合材料を路体盛土材として使用しています。

搬入荷降ろし状況
搬入荷降ろし状況
搬入荷降ろし状況
搬入荷降ろし状況
転圧状況

転圧状況

転圧完了

転圧完了

全景
全景

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

福岡208号 昭和開地区改良3-1工区工事(福岡県大牟田市昭和開地先)

本工事は、一般国道208号有明海沿岸道路事業(大牟田高田道路)の一環として、道路改良工事の施工に伴い、石炭灰混合材料を路体盛土・補強土壁盛土材として活用しております。

有明海沿岸道路の断面図
有明海沿岸道路の断面図
施工写真1

施工写真

施工写真2

施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

福岡208号 昭和開地区改良3-2工区工事(福岡県大牟田市昭和開地先)

本工事は、一般国道208号有明海沿岸道路事業(大牟田高田道路)の一環として、道路改良工事の施工に伴い、石炭灰混合材料を路体盛土材として活用しました。

断面図
断面図
施工写真1

施工写真

施工写真2
施工写真
施工写真3
施工写真
施工写真4
施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))

福岡208号 昭和開地区改良3-4工区工事(福岡県みやま市高田町大字昭和開地先)

本工事は、一般国道208号有明海沿岸道路(大牟田高田道路)の一環として、道路改良工事の施工に伴い、石炭灰混合材料を路体盛土及び補強土壁盛土として活用しました。

断面図
断面図

施工写真1

施工写真

施工写真2

施工写真

(出典:石炭灰混合材料有効利用ガイドライン(高規格道路盛土編))