Q3:石炭灰の特徴は?

クリンカアッシュは、ボイラ内で燃焼によって生じた石炭灰の粒子が相互に凝集し、多孔質な塊となってボイラ底部のクリンカホッパ(水槽)に落下堆積したものを破砕機で砂状に砕いたものです。これを脱水槽等で脱水した後、用途に応じてふるい機等で粒度調整が行われています。なお、クリンカホッパは上記した湿式が大半でありますが、水槽を用いない乾式タイプもあります。

フライアッシュは、ボイラ内で燃焼によって生じた溶融状態の微細な灰粒子が、高温の燃焼ガス中を浮遊した後、ボイラ出口における温度低下に伴い球形微細粒子となったものであり、電気集塵器で捕集されます。なお、電気集塵器の後段で採取されるフライアッシュほど、粒子径が小さいです。

フライアッシュについては、用途に応じ、気流式分級機等での粒度調整が行われています。分級等処理を施していないものは「原粉」、分級により得られた細かい粒子と粗い粒子は、それぞれ「細粉」および「粗粉」と呼ばれています。

流動床を除く、国内のフライアッシュのほとんどは、ASTM規格のクラスFです。

表 製品別による分類

製品 製品の種類別分類 備考
フライアッシュ 原粉・・・ボイラから発生したままのフライアッシュ
細粉・・・集じん器の後段集じん区で回収したもの、或は原粉を分級し粒度調整した細かいもの
粗粉・・・原粉を粒度調整した粗いもの
コンクリート用フライアッシュとして利用されるものでJIS規格では、Ⅰ~Ⅳ種が規定されている。総称としてJIS灰と言う。
クリンカアッシュ 粒度調整したものと粒度調整しないものがある
湿式と乾式のものがある

(出典:石炭灰ハンドブック)

国内のJIS灰の流通価格は、大阪地区では、普通ポルトランドセメント(バラ)の価格が9,000円/tと掲載されている物価本において、フライアッシュ(JIS灰)(バラ)の価格は6,400円/tと安価になっています。