Q1:セメント原材料として石炭灰を使用できる理由?

材料の組成
図 材料の組成

(出典:新エネルギーの展望 -石炭火力発電の灰処理問題を探る-
石炭灰の有効利用 1996年3月 財団法人 エネルギー総合工学研究所)

セメント原材料である石灰石、粘土類、けい石類および石炭灰の組成は上図の通りであり、石炭灰は粘土代替として使用可能です。ただし石炭灰は粘土に比較してシリカ(SiO2)の量が小さいため、粘土代替は40~50%が上限といわれています。

シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)を主な成分とする物質がポゾランと呼ばれていますが、これらが水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と常温でゆっくり反応して硬化します。天然のポゾランとしては、火山灰、凝石灰等があり、人工のポゾランの代表的なものが石炭灰です。